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9月も半ばを過ぎると晒菜升麻(さらしなしょうま)が多分一番遅く咲く花でしょう。小屋の北側に一本のやちだもの木があり、枯れてきたので来春には危険木として伐採してもらう予定です。
その根元にある晒菜升麻が今年はいつもよりも見事な花を沢山つけました。木と共になくなる株と知るよしもないながら、種を残そうとする意思のようにも思われ胸を打たれました。
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やちだもの木も全盛期には40センチばかりもある柄にまるで羽のように小葉を付け、奇数羽状複葉というらしいのですが、強い霜が降りた朝、日が当たるとバサッバサッと音を立てて一気に落葉しました。
二十メートルもある木から、数知れず落ちて来る葉の音を聞くこともなくなって久しくなります。一本の木の終焉を見届けるまで、ずい分長く住み古りてしまったという気がします。
上條久枝