雌伏ながき小梨の花の盛りかな

小梨の咲く頃になりました。
小屋の入り口のところで今咲いている花は半分朽ちたような木から伸びた枝のものです。



以前この木の前に大きな小梨の木があって入り口の方に延ばした枝にはよくバトミントンのシャトルを引っかけ,またバレーボールのネットを結びつけたりしてあの頃の私たちの遊びの中心でした。

毎年見事な花を付け,その下で花見をしたのも懐かしい思い出です。

その木は30年ほど前に工事の重機が当たって,ぼっきり折れてしまいました。芯に腐りが入っていて脆くなっていたのです。

次の年の春,折れた木に隠れて,ほとんど朽ちていると見えた木が枝を伸ばし,数個の花を付けました。
遮られていた日光が届き,ようやく時を得た木は年ごとに枝を伸ばし,花を増やし今の姿になりました。
木というものは何とすごいものかと毎年花を見ながら感じ入ってしまいます。

上條 久枝

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日々に濃き木々のみどりの名残りかな

GWのアルバイトの草彅佑さんは本当に頼りになる人で、あの忙しかった3、4、5日も慌てることなく、きちんと仕事をこなすことでスタッフ全員の信頼を得ました。

3週間余りのバイトさんでしたが、すっかり小屋に溶け込んで別れがつらくなってしまいました。


お客さまも一段落した一夕、草彅さんのお別れ会を開きました。本人の希望は鯵の塩焼きと果物でしたが、鰹の刺身となめろう、スタッフの心づくしのポテトサラダや車麩の煮物などなどが食卓に並び、みんな食べるのに夢中で写真を撮り忘れてしまいました。

二次会も前夜の予行演習で疲れてしまったらしく早目に寝てしまい、写真がありません。

ともあれ草彅さん有難う。そしてお疲れさまでした。

今年最初の豪華メニュー⭐︎

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朝日さす姥百合の芽は玉巻きて

小屋の裏にウバユリの芽を見付けました。
2〜3年前にも生えたのですが20センチ位になったところで猿に食べられてしまいました。

姥百合の花はうす緑色で1本の茎に5〜6個も付き、地味ながら良い香りがして夏の夕べの散策の楽しみだったことを思い出しました。


明神橋の向こうの林に沢山あったのが、いつの頃からか見えなくなっていました。でも残っていてあの大きな蒴から放たれた沢山の実の一つが風に乗ってここまで来たのです。


今年こそは猿にやられず花を咲かせたいものです。

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開山祭を迎えて

令和5年5月27日
上高地は開山祭を無事に迎えることができました。

今シーズン初めての宿泊のお客様はインドネシアからのお二人でした。

とても寒いと驚いておられましたが、朝には何と雪が積もっていました。

すぐに良い天気になり、穂高の嶺々がくっきりと青空に映える開山祭日和となりました。
芽吹き前の木々にはウグイスやシジュウカラの姿が見えます。

先きがけの 二輪草にも なごり雪

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小屋開けのご挨拶

う ぐ ひ す に 迎 へ ら れ た る 小 屋 開 き

4月20日、全員がそろって今年度がスタートしました。
ベテラン2名、昨年から続いての3名、新人さん2名、私共3名で
皆様をお迎えします。

今シーズンもどうぞよろしくお願い申し上げます。

食堂は4月25日から、宿泊は4月27日からとなります。

それに向けて、おしるこのあんこを作り、パウンドケーキを焼き、
くん製を作るなど忙しく過ごしております。
よいお天気で布団干しも出来、万全のスタートが切れそうです。

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【2023年度】従業員募集のお知らせ

嘉門次小屋では2023年(令和5年)度

シーズン従業員を募集しております。

当山小屋の雰囲気など知りたい方は

下記動画をご覧ください👇

上高地公式youtubeより

シーズン従業員

《雇用期間》

2023年4月20日〜11月15日

《給与》

🔲月額支給(出勤日数により変動)

平均18〜20万円前後(日給8,500円〜)

🔲社保完備、雇用保険あり

🔲Wi-Fi完備/相部屋(プライバシー対応あり)

🔲交通費支給

※雇用年齢20歳以上

※住込みでシーズン通して働ける方に限ります

繁忙期限定のアルバイト

🔲日給8000円〜

🔲寮費、食費(3食)無料

〈主なアルバイト期間〉

【春季】ゴールデンウィーク(4/28〜5/8)

【夏期】海の日の連休、夏休み、お盆期間(7/15〜8/27)

【秋季】連休、紅葉シーズン(9月〜10月)

希望の雇用期日は調整できますが

※1週間以上働ける方を優先いたします

※雇用年齢18歳以上

採用 問い合わせ先

電話またはメールでお問い合わせの上、履歴書を送付ください。

嘉門次小屋 冬季連絡先 (2023年4月19日まではこちら)

採用担当:上條瑞穂

Mail
info@kamonjigoya.jp

TEL/FAX 0263-87-5653

<履歴書送付先>

〒390-0803 長野県松本市元町1-4-16-208 嘉門次小屋冬季連絡所

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新年のご挨拶 

洲に老ゆる化粧柳に年あらた

本年もどうぞよろしく

        お願い申し上げます。

2023年 元旦

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トイレ洋式化工事終了のお知らせ

長年の懸念であったトイレ洋式化工事が終了しました。

この工事は、観光庁補助事業の対象となり、工事費の半額の補助を受けました。

営業を終えてから工事にかかり、11月のうちは例年よりも暖かい日が続きましたが、さすがに12月に入ると、氷点下の日が増え、吹雪くこともありました。そんな中、職人さんたちが朝早くから来て、暗くなるまでていねいな仕事をして下さり、見違えるようなトイレに生まれ変わりました。

このトイレは、浄化槽を設置する敷地がないために、汲み取り式の簡易水洗です。ご使用に際しては、節水のご理解とご協力をお願い申し上げます。

併せて洗面所の改修も行い、このほど完成しました。トイレも洗面所も、長い間ご不便をおかけしたお客様に喜んでいただけると思います。

内男女トイレ
外男女トイレ個室
新しい洗面台
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営業終了のごあいさつ

春からがんばってくれたみんなと

11月6日に今シーズンの営業を終えました。

例年になく最後の日まで忙しく、なごりを惜しむ暇もないような状況でしたが、シーズンを通して和気あいあいと仕事ができたことを嬉しく思います。

青空にくっきりと浮かぶ明神岳に別れを告げて、スタッフの皆さんは下山していきました。これから、トイレ改修と水道の工事に入ります。

社員さんは15日まで小屋閉めの仕事をして、私共は12月中旬ころまで行ったり来たりすることになります。

ともあれ、今シーズンも皆様に支えられて無事に過ごすことができましたことに、心より感謝申し上げます。

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宴果てて枯木にかかる星の数

10月26日 第56回嘉門次祭を開催しました。

4代目から5代目にと代が変わっても、嘉門次爺さんに恥ずかしくない経営を続けていくことを改めて心に誓う日として続けていくことにしたものです。

第1回以前からの従業員であった山口ふさえさんが久しぶりに来て下さり、コロナの影響でしばらく来られなかった人たちも顔を見せて下さいました。

そしてこの数年来、工事の大小にかかわらず何でも快く引き受けてもらっている(株)アスピアの方々と関係者の人達も加わって下さって、近年にないにぎやかで楽しい会となりました。

夜も更けて外に出てみると、満天の星、というよりもぎっしりと星を埋め込んだような空がありました。気温が氷点下の新月の頃には、星が大きく見える気がします。

嘉門次祭が終わると小屋締めまでまっしぐらです。最後までみんなでがんばっていきたいと思っております。

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営業終了日変更のお知らせ

朝焼けの明神岳

秋も深くなりました。遅れていた紅葉も始まり、美しい季節になりました。

今シーズンの小屋の営業終了日を変更させていただきます。

宿泊は11月3日まで。

食堂は11月6日15時までとなります。

トイレ改修工事のため、ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承くださいますようにお願いします。

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実を付けし いら草 刺を捨ててあり

8月が過ぎて山は秋の気配が濃くなり、外を歩いて裾や袖口に草の実を付けて帰ることもよくあるようになりました。

先日のこと、すべった拍子にしなるばかりに実を付けたイラ草を掴んでしまい、刺がないことに気付きました。

小屋のまわりにはイラ草が多く、ちょっとでも触れようものなら、蟻酸をふくむ独特の痛みがいつまでも残り、イラ草とはよく名付けたものだと思うほどやっかいな草です。

そのイラ草が春先に芽を出して以来、ずっと身を守ってきた刺を捨てて、実を出来るだけ遠くへ運んでもらう作戦に出たということを知って、自然界の妙に感動を覚えました。

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営業時間短縮のお願い

誠に勝手ながら、営業時間を9:00~15:30とさせていただきます。

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承うを頂きたくお願いもうしあげます。

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さざ波の釣舟草や風立ちて

上高地の釣舟草は黄色ばかりと思っていましたが、小屋の裏手に白花があるのを見付けました。

新種かと期待しましたが、調べてみると多くはないものの各地にあるということでした。

変異したのか、どこからか種が来たのか分かりませんが、この1本を大切にして来年はふえるといいなと思っています。

雨がちのお盆でしたが、その割に大勢のお客様がおいで下さり、忙しく過ごしました。

高山さんはもちろん、実季さん、史夏さんと助けて下さって無事に終わることが出来たことを有難く思っています。

お盆が終わると急に秋風が立って、あわてて暖かい上着を探したりしています。

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空の青に そば菜はつづる 岨の道

そば菜の花が咲くと夏になったと感じます。

はるかな昔、槍沢を下る道に添って、この花がとぎれなく咲いているのに出会って以来、一番好きな花になりました。

コロナの第7波ということです。出来るだけの対策と注意をしながら営業をしています。ご協力とご理解のほどをよろしくお願い申し上げます。

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梅採り

梅雨の晴れ間に知人の友人の山畑に梅を採りに行きました。

そこは山形村という松本市から車で30分ほどの高台で、かっこうの声がして涼しい風が渡っていました。

丁度梅の花が咲いた時に霜が来たのが原因らしく、上の方にはあまり実が付いておらず、主に中ごろから下の実を採りました。

梅は枝を切ってよいどころか、枝を落とした方が新しい枝に実が付くということで、手の届かない所はノコギリで枝ごと切り落としての収穫でした。

頂戴した無農薬の小梅は、小屋に持っていき、みんなでヘタを取るのが梅雨時の仕事です。

今年もおいしい梅漬けができそうです。

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下村さんを偲ぶ会

小屋の50年来の友人であった下村勉さんが、1月6日に急逝されました。コロナ禍での家族葬であった為と、冬は皆バラバラに暮らしていることもあり、誰もが下村さんが亡くなられたという実感がわかずにいました。

ゴールデンウィークにはいつものように、ホタルイカと白エビと、富山湾の魚を持って来て下さるのではないか、という気もしていましたが、やはりそれはなく、しみじみと寂しい気持ちになりました。

下村さんは私心というものが全くない方で、どんな事にも誠心誠意対応して下さり、私たちはそれに甘えることに慣れてしまい、何かといえば下村さんにお願いをしてばかりでした。最近では囲炉裏の鉄瓶を高岡市の制作会社に持っていき、昨年の小屋明け時に見本として出した鉄瓶を持って来て、6月には完成した鉄瓶を運んできて下さるという労をとっていただきました。

近年、仕事を離れられてからは、連休やお盆ともなればたくさんの魚を持って助けに来て下さり、岩魚の串洗いを一手に引き受けて下さって、それがどんなに有難かったかは言葉に尽くすことが出来ません。それなのに「お世話になりました」と一人一人に挨拶をして帰られるような、謙虚で奥ゆかしいお人柄でした。

私たちは、下村さんから受けた温情に何ひとつ応えることもないまま、永遠の別れをすることになってしまいました。「下村さん、ありがとうございました」という一言を言うために、5月21日の一夕、友人、知己が集い、個人を偲びました。

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G.Wが終わって

今年のG.Wの助っ人は、高山さん、野原先生、史夏ちゃん、まりちゃんの4人でした。

ありがとうございました。そして大変お疲れさまでした。

雪のニリンソウ

例年、5月の初めは雪が降るものですが、今年は大丈夫かと思っていました。しかし5月2日は雪になり、午後になると積もりはじめて、咲きはじめのニリンソウがこんな姿になりました。

新緑

G.Wが終わり、新人さんもようやく人心地がつき、ほかのスタッフも長いブランクの後の体が目覚めたというところです。

あたりには新緑が日々に色を増して、柳に混じってミヤマザクラのほの赤い色やカツラの紅色が空を埋めていきます。

ニリンソウ、ハシリドコロ、エゾエンゴサク、スミレ、ケマン、タカネザクラなどの花々が咲き、鳥は歌い、これから上高地の春は本番を迎えます。

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今シーズンのメンバーです

4月27日夜間に上高地線の道路で崩落があり、28日も安全策を講ずるために終日通行止めとなったため、2日間松本で待たされた西君がようやく着任して、全員が揃いました。

新人さん1人、あとはリピーターとOBですが、みんな新しい気持ちでお客様をお迎えします。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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新しい鉄瓶のおひろめ

昨シーズンまで使っていた鉄瓶は、昭和54年に囲炉裏を大きくしたとき、有志の方々から送られてもので、以来45年間、何代もの囲炉裏番さんたちと共に頑張ってきましたが、いよいよ修復不可能な状態になり、新しい鉄瓶と交代することになりました。

この燦然と輝く新しい鉄瓶は、実は鉄ではなく合金製です。こんなに大きな鋳物を作る職人さんがいなくなり、合金でならやってみてもよいと、富山の砺波商店の社長さんが言って下さり、今まで手掛けたことのない形というので、職人さんたちが苦心を重ねて作って下さったものです。

今シーズンから囲炉裏の顔として共に歩みを重ねて行きたいと思っております。じきに真っ黒な姿となりますので、末永くお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます。

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営業開始のごあいさつ

4月25日、今年の営業を開始しました。

春先まで、屋根につながるほどあった残雪もきれいに解け、以前より早い春の訪れを

感じながらスタートすることができました。

今シーズンもどうぞよろしくお願い申し上げます。

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     五代目就任のごあいさつ

この春から上條輝夫に代わり小屋の経営を引き継ぎました上條瑞穂です。

若い頃小屋で働いていたことがありますが、あれから20年近くになります。

久しぶりの上高地は山も川も美しく、何も変わっていないようですが、よく見ると川は河床が上がり、山には地震の傷あとがあります。

年月とともに自然も人も変わっていくのは当然のことですが、その中にあっても変わらないもの、崇高な山々の姿、季節ごとの美しい景観、空の蒼さ澄みきった水などのように、来てくれるお客様を大切にもてなす心を受け継いでいきたいと思っております。

時代は変わっても、その地にあったやり方も大切であろうと思います。試行錯誤しながらもよい小屋を目指していきたいと思っております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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朝の日に姥百合の芽の玉巻きて

小屋の裏にウバユリの芽を見付けました。
2〜3年前にも生えたのですが20センチ位になったところで食べられてしまいました。

姥百合の花はうす緑色で1本の茎に5〜6個も付き、地味ながら良い香りがして夏の夕べの散策の楽しみだったことを思い出しました。


明神橋の向こうの林に沢山あったのが、いつの頃からか見えなくなっていました。でも残っていてあの大きな蒴から放たれた沢山の実の一つが風に乗ってここまで来たのです。


今年こそは猿にやられず花を咲かせたいものです。

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