山小屋は寝静まりたり流れ星

毎年8月中旬頃ペルセウス流星群が見られ、今年は月明もなく日本中で見られるということでしたが、台風5号の接近上陸によりそれどころではない所もありました。ペルセウス流星群には忘れられない思い出があります。

もう40年以上も昔のことです。その頃はお盆を中心にお客様が集中し宿泊のお客様も多くとても忙しかったのですが、今夜はペルセウス流星群を見ようということになり、若いスタッフと仕事が終わってから夜食のおにぎりを作り、お酒もおつまみもと準備して出かけました。

場所は対岸の明神橋の袂の、砂が砂丘状になっているところで、シートを敷いて高い方を枕に寝転んで流星群を見物しようという趣向でした。

ところが昼間の疲れで全員あっという間に眠り込んでしまい、寒さで目を覚ますとあたりは真っ暗で、星は恐ろしいほど光っているものの、流星はひとつも見えません。さては寝過ごしてしまったのかと皆んなを起こしたものの、誰も時計を持っておらず、夜風の寒さに急いで小屋に戻りました。

帰ってみるとまだ11時前で、あと30分位で流星群が見られるはずでしたが、誰一人又出かける気はなく、蹌踉(そうろう)と自分の寝床に引き上げました。

以来、私はペルセウス流星群を見たことがありません。ただこの時期になると、あの時のスタッフさん達と一緒に忙しく働いていた日々を懐しく思い出します。

上條久枝