この谷を出づなき柳絮舞ひゆけり

新緑が若い緑になったと思ったら、早くも柳絮が飛びはじめました。

柳絮は柳の種子を運ぶ綿毛のことで、これが空いっぱいに飛ぶ景色は、上高地の初夏の風物詩といわれています。

上高地の柳はシダレヤナギではなく、爪楊子の原料となる楊柳の方で、沢山の種類があります。

中でも化粧柳は、広辞苑に「北海道、本州(上高地)、東アジアの深山河畔に生える」とある特殊な柳で、厳冬期には枝が濃い紅色となり、春になると若い枝が白い粉をふくことがあるのでこの名が付きました。

この化粧柳は上高地近辺では、梓川の流れに乗った柳絮が下流で芽吹いたと思われる一帯以外には見られません。

飛んでいく柳絮は、上高地を囲む山々を越えることができないのでしょう。

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嘉門次小屋 上條久枝

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