残照に映ゆる名残の楡黄葉

小屋の裏の倉庫の入口あたりは、みんながほっと息をつきに来る場所になっています。小さな椅子に座ると楡の木に蓋われた空が見えます。

この楡の大木は新緑の頃は葉の間から日差しがもれ、夏には涼しい木陰を作り、やがて黄葉(もみじ)して小屋閉めの頃は姿のよい枯木となります。

長年そこにあるものとして馴染んできたこの木は、従業員宿舎の工事のため、来春には伐採されることになりました。

なごり惜しい思いで見上げると、残りの黄葉が残照に浮かび上がっていました。

楡黄葉(にれもみじ)

上條 久枝

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