誰袖草くるま葉草の夕まぐれ

上高地で見る花の中で最も雅びな名を持つのが誰袖草(タガソデソウ)です。

古今和歌集の「色より香こそあはれと思ほゆれ 誰袖ふれし宿の梅もぞ」

という歌にちなむ名と言われます。

小屋の近くにある花は一本咲きが多いせいか香気は感じられませんが、あえかな品のいい花です。

その下を埋めるのが車葉草(クルマバソウ)であれば、ふと王朝時代を連想してしまうのも、名の持つ魔術と言えるでしょう。